23日、フィリピンコーヒー品評会の授賞式がマニラ市デ・ラ・サール大学において開催された。比国農業省、貿易産業省、米国農務省、米系NGO ACDI-VOCAが主催した。
審査はQグレーダーと呼ばれる鑑定士によって国際的な方式で評価された。Qグレーダーは海外から3名、ルソン、ミンダナオから2名ずつ計7名が選出され、1週間にわたり各自数百のカップを評価した。海外の鑑定士は、初訪比でまた、ローカルの審査員も地域のバランスを取り公平さに配慮が伺えた。
アラビカ部門では1位から10位まで、ミンダナオ島の生豆が占めた。1位は85.36ポイント、6位は84.36ポイント。その差僅か1点に6つが入る激戦を制したのは南ダバオ州アポ山の標高1,490mでコーヒー生豆を栽培するBACOFA農協のマリビックさん。昨年2位になった実績があり、今回も実力で優勝をもぎ取った。今回最多の9つエントリしたBACOFAからは、4位、6位、7位、10位と上位に5点の入賞を果たした。
2位はブキッドノン州のカラトゥンガン山の標高1200m~1700mで生産しているMilalittra。メンバーは少数民族(タラアンディグ族)である。昨年4位で、今年順位を上げてきた。3,5位は、同じくカラトゥンガン山のBMMPCが入った。
一方、ロブスタ部門の1位は85.04ポイントで、BMMPC。2位には南コタバト州から入賞した。10位中、ルソン6、ミンダナオ4とほぼ互角の結果であった。
アラビカ部門1位のコーヒー農家、マリビック・ドゥブリアさん(39)はダバオッチの取材に対し、「優勝できて嬉しい。既に一定の品質を担保しているが、今後も品質を保っていきたい。皆のハードワークが優勝につながった。コーヒー生産に近道はないと思う。」と話した。
また、上記のコーヒー生産者を支援・提携しているPistacia Mindanao Coffee Export社の代表である太田勝久さんは「今日はここ3年間で一番嬉しい日となった。農民自身の志が高い。農民のハードワークが報われて良かった。人的にも地勢的にももっと上に行ける潜在能力はある」と話す。
ミンダナオ島は有力なコーヒー豆の生産地として注目されているが、同島の紛争等、国内事情もあって発展から取り残されてきた経緯がある。今後、紛争からの和平プロセスが進むことで、経済発展が期待されている。
結果<アラビカ部門>順位、州、農園(農家)
優勝:南ダバオ州、BACOFA農協
2位:ブキッドノン州、Millalitra
3位:ブキッドノン州、BMMPC
4位:南ダバオ州、BACOFA農協
5位:ブキッドノン州、BMMPC
6位:南ダバオ州、BACOFA農協
結果<ロブスタ部門>順位、州、農園(農家)
優勝:ブキッドノン州、BMMPC、Lorna Libante
2位:南コタバト州、Mario Joey Tacan
3位:南イロコス州、Rodolfo Aciong
4位:ブキッドノン州、BMMPC, Primitiva Mahumot,
5位:コルディリエラ自治州、Asiws Farm, Joel Gladi,
6位:南イロコス州、Kinmarin Coffee Growers Association