フィリピン政府は、イスラム系武装組織マウテグループから提案された人質に関しての交渉を、拒否したことが明らかになった。この交渉は、現在、マラウィ市内で拘束されている30人の人質を、安全に解放する代わりに、マラウィ市内で包囲されているマウテグループの戦闘員を安全に市外に退去させるという内容の、マウテ側からの提案である。
ロレンツァーナ国防長官によると、「今回の申し出は、前マラウィ市長であるオマール・ソリタリオから提案を受けたもので、今週になってから、和平プロセス大統領顧問のドゥレザ氏を介して、伝えられた」とのこと。「5月23日から始まったマラウィの占拠を行う武装集団からこのような交渉の提案があったのは今回で2度目だ」と話している。
国防長官は、「交渉するには、もう遅すぎる。犠牲者が少なかったマラウィ戦闘の初期であれば、交渉の余地があったかもしれないが、今さら交渉しても、戦士した145人の兵士の侮辱することになる」と述べ、「マウテはすでに小さなエリアの追い込まれており、軍も攻撃の体制を整えている。今になってなぜ交渉しないといけないのか」と続けた。
今回のソリタリオからの提案は、先日、ドゥテルテ大統領が行ったタギグ市の演説の影響を受けたものと考えられている。大統領は、演説の中で、人質解放のために、マウテグループへ交渉を申し出る為、交渉人を送っていたと話している。
ロレンツァーナ国防長官は、ソリタリオとそのグループは、安全にマラウィを脱出し、他の本拠地に逃げることを望んでいると話し、記者団に対し、『ボス、より過激な次の作戦の為に、マラウィの戦闘を終わらせたい』という内容のソリタリオが送ったとされるテキストメッセージを見せた。