2026年7月25日、フィリピン・エネルギー省(以下DOE)は、インドネシア政府から、同国の輸出管理制度の見直し後もフィリピン向け石炭輸出は安定的に維持されるとの確約を得たと発表した。
今回の確約は、シャロン・ガリン・エネルギー長官がジャカルタでインドネシア政府高官と会談し、石炭をはじめとする戦略的天然資源に関する新たな輸出政策について意見交換を行ったことを受けたもの。
フィリピン代表団は、インドネシア経済担当調整省、エネルギー鉱物資源省(MEMR)、および国営輸出会社ダナンタラ・スンベルダヤ・インドネシア(以下PT-DSI)との協議で、インドネシアがフィリピン最大の石炭供給国であり、国内の電力供給を支える重要な役割を担っていることを強調した。
フィリピンでは石炭火力発電への依存度が高く、輸入石炭の安定確保は電力の安定供給を維持するうえで重要な課題となっている。
これに対しインドネシア側は、検討中の輸出制度の見直しは石炭輸出を制限するものではなく、取引の透明性や追跡可能性(トレーサビリティー)の向上を目的としたものだと説明した。
また、PT-DSIはフィリピン側に対し、不正行為などの問題が確認されない限り、既存の商業契約は引き続き有効であると保証した。制度導入の初期段階では、輸出関連書類の整備やデータの集約に重点を置くとしている。
DOEは今回の説明を歓迎し、燃料調達の安定化に向け、石炭供給を巡る不確実性の低減につながるものと評価した。
ガリン長官は、「私たちが築くあらゆる協力関係は、フィリピン国民の日々の暮らしを守ることにつながる。インドネシアによる今回の約束は、エネルギー供給の安定確保に向けた取り組みを強化するものであり、医療機関の運営、学校教育の継続、企業活動や雇用の維持、そして各家庭への電力供給を支えるものだ」と述べた。
さらに両国は、石炭分野に加え、エネルギー分野全般で協力を拡大することで一致した。具体的には、送電網が整備されていない島しょ部における液化天然ガス(LNG)の活用や、再生可能エネルギー事業の開発などで連携を進める方針だ。
また、10月に開催予定の第44回ASEAN経済相会議を前に、ASEAN域内の電力融通を目指す「ASEANパワーグリッド構想」の進捗状況についても確認した。
今回の協議は、フィリピンにとって短期的な石炭供給への懸念を和らげるだけでなく、インドネシアとのエネルギー分野における協力関係をさらに強化する契機となった。






