ダバオ市内の複数の場所において、ニュー・ピープルズ・アーミー(以降、NPA)の一部と思われる人物たちが計10台の建設機械に放火したことが明らかになった。これは、ドゥテルテ大統領に対して政府-反政府組織間の和平交渉の再開を催促する決議案が提出された翌日のことだった。
ブハンギン警察の調書によると、3月31日の午後11時頃、4台のダンプカー、1台のパワーショベルが放火されたほか、ほぼ同時刻にパキバト地区でも1台のパワーショベルとブルドーザー、そしてカリナン地区で1台のパワーショベルが同様に放火の被害を受けたそうだ。
ダバオ地方警察署のスポークスマンであるミルグレイス・ドリズ氏は、初動捜査における目撃者の証言では、これらの機械に放火を行ったのはNPAの関係者であるとのことだが、同署では犯人の特定を実施中だと述べた。
一方でカリナン警察の調書によれば、ダラグダグ地区にて、15~18歳と思われる8人の若者たちがパワーショベルに対し火を放っているのが目撃されていたとされている。この情報を受けドリズ氏は、「もし犯人が15歳の人物であった場合、NPAは未成年たちを組織に加えている可能性がある」と事態を重く見ている。
同事件は3月29日に行われたNPAの記念日に関係するものと思われており、今回建設機械を燃やされたLeonard Trucking Services社は、NPAが要求していた「革命税」を支払わなかったことから、放火行為の標的となったのではないかと考えられている。
該当の10台の機会は、カリャワ、パキバト、カリナンエリア経由の迂回道路プロジェクトのために使用されていたが、今回の事件によってプロジェクトの遅延は起きないと、公共事業道路省は保証している。