【News】日比の明るい未来に向けて!ミンダナオ大学と日本企業長大の覚書締結調印式が行われる

左から、エドガー・L・ブレセル氏、アリステオ・C・ビジャヌエバ氏、マベル・テルマ・G・マサンガイ氏、ギリアモP.トーレスJr学長、石川総領事、永冶泰司氏、野本昌弘氏
左から、エドガー・L・ブレセル氏、アリステオ・C・ビジャヌエバ氏、マベル・テルマ・G・マサンガイ氏、ギリアモP.トーレスJr学長、石川総領事、永冶泰司氏、野本昌弘氏

4月29日にダバオにあるミンダナオ大学(以下UM)マティーナキャンバスにおいて、同大学と日本の建設コンサルタント会社である長大の事業提携に関する覚書締結調印式が行われた。この事業提携はミンダナオ大学の卒業生を対象とした、日本語教育の支援と日本での就労支援を目的としている。

人・夢・技術グループ株式会社の代表取締役社長 永治泰司氏、長大の代表取締役社長 野本昌弘氏、UM学長ギリアモP.トーレスJr氏、マニラ国際アカデミーのアリステオ・C・ビジャヌエバ氏(学長)、フィルノス・コーポレーションのマベル・テルマ・G・マサンガイ氏(President)、ミンダナオ日本人商工会議所のエドガー・L・ブレセル氏(推薦理事)、ダバオ石川総領事、織田副領事等が参加した。

長大について

まず、長大とは東京都中央区に本社をおく大手建設コンサルタント会社である。橋梁において業界トップクラスで、明石海峡大橋やレインボーブリッジなどの日本の長大橋梁を手掛けてきた。日本に留まらず、海外の大きなプロジェクトにも携わっている。ダバオがあるミンダナオ島においても、養鰻や精米事業などを行っている。

UMについて

また、UMは1946年に設立された私立大学であり、学生数約40,000人という大規模な大学として知られている。フィリピンのトップ100大学の2024年EduRankリストで19位に上昇し、ダバオ地方では7校中1位、ミンダナオ地方では2位にランクインしている、フィリピンの優秀な学生が集まる大学なのだ。UM学長ギリアモP.トーレスJr氏は、今回締結するパートナーシップには無限の可能性が潜んでおり、この機会に感謝する、と締結を歓迎した。

今後の計画

具体的な計画としては、ミンダナオ大学の土木、建築系の卒業生をフィリピンにあるマニラ国際アカデミーでN5レベルの日本語を習得させ、その後日本の日本語学校でN3レベルの日本語を習得させる。その過程において一定の成績を修めた者が人・夢・技術グループの傘下会社で就職し技術を身に着ける。

また、日本の日本語学校に留学中は人・夢・技術グループの傘下会社でアルバイトをして素養を身に着ける、といった流れだ。日本での就学、就労の行政手続きの支援はフィルノス・コーポレーションが行う。

長大コメント

人・夢・技術グループ株式会社の代表取締役社長 永治泰司氏は、「日本の平均寿命が50歳であるのに対して、フィリピンは平均寿命が30歳である。日本は元気で将来性のあるフィリピンの若者と共に働くことによって労働力不足を解消しなければならない。既に日本には多くの外国人労働者がいるが、我々が求めているのはエンジニア分野に精通している者である。
これから、ミンダナオ大学の優秀な学生さんと手を組めるというのはとても楽しみだ。しかし、日本人は英語が話せないことが多い。意思疎通をきちんとするためには日本語を覚えて頂きたい。そのために、マニラ国際アカデミーの皆様にご協力頂き、ミンダナオ、マニラでの日本語教育、その後日本での学習を通して、語学だけでなく日本の文化、現実で使える技術を身に着けていって頂きたい。これから共に働くことでミンダナオと日本の明るい未来をつくってゆきたい」と述べた。

長大の代表取締役社長 野本昌弘氏は、「日本で土木工学を学ぶ学生が非常に少なくなっている。また、日本では元旦の大地震の様に毎年被災する地域がある。それはインフラに大きな影響を与えている。このままでは技術者が不足して守れなくなる地域が出てくる可能性がある。現在長大では、女性や外国人の雇用を積極的に行いダイバーシティを推進しているが、依然として技術者が不足している。このような中、優秀なミンダナオ大学の卒業生の方々に日本語を勉強し、技術を身に着けて頂くことで、このプロジェクトは成功すると信じている。一人でも多くのミンダナオの学生が日本にきて勉強してほしい。共に働いてゆきたい」と述べた。

石川総領事コメント

ダバオ石川総領事は、「ミンダナオ大学の卒業生は、長大によって日本の文化、言語、技術を身に着けるチャンスが得られる。また、長大はミンダナオ大学からスキルのある人材を雇用することが出来る。今回の締結は双方にとって利益をもたらす、Win-Winなものであると捉えている。教育、人材育成は明るい未来をつくる重要なカギとなる。収益を得ることよりも、人材育成を優先して今回このような機会を提供して下さった長大に尊敬の意を表明する」と述べ、ビサヤ語で本当にありがとうございますという意味の、「Daghang salamat」という言葉でスピーチを締めくくった。

ダバオ石川総領事
ダバオ石川総領事

調印が行われた後は、記念品交換、学校ツアーが行われた。

独占インタビュー

その後、ダバオッチ編集部は、長大の代表取締役社長野本昌弘氏と長大マニラ駐在員事務所課長松本晃佳氏にインタビューに応じて頂いた。

⑴ ミンダナオには数々の名門大学があるが、その中のUMと事業提携をしたことには理由があるのか

松本氏:今回の締結は長大側が一方的にUMにアプローチしたわけではない。UMもこのような事業提携をしたいという思いがあり、相互の希望が合致していたことが締結につながった。また、土木、建築といった学部があるUMと、長大側が求める人材が合致していたことも理由の一つである。

(2)マニラや日本での語学留学、どれほどの費用がサポートされるのか

松本氏:現段階では具体的な額は決まっていないが、長大は日本語、技術の2つの分野のサポーターとして、奨学金などの形でサポートをしていくつもりだ。

(3)今後関わってゆくUMの卒業生たちに対してどのような期待をしているか

松本氏:まずは日本を好きになってほしい。雇う、雇われるの関係ではなく、共に働き、共生していきたい。

野本氏:日本に永住するかどうかはしばるつもりはない。長大で身につけた技術を持って帰り、ミンダナオを発展して頂く、世界で飛躍して頂くことも楽しみにしている。

野本氏が、ミンダナオの学生がこれからも日本に来てくれるためには、日本が魅力的であり続けねばならないと語っていたのが印象的であった。また、共に働く、共生するということをお話の中で多くおっしゃっていた。 ダバオッチ編集部として今回の調印式に携われたことはとても貴重であり、快くインタビューに応じて頂いた長大の皆様には感謝を申し上げます。

興味深く観察をする野本昌弘氏
興味深く設備を観察している野本昌弘氏(学校ツアーにて)

ダバオッチ編集部コメント

外国人労働者が増えている日本では、外国人労働者と日本人の言語の壁によるコミュニケーションの問題や過酷な労働環境、差別などの問題が依然としてある。そういった中、徹底した日本語教育と、技術教育、そして共生していくという強い姿勢、これを日本を代表する大企業が行うことは、日本の外国人労働者に対する関わり方の変革につながっていくのではないか、と思う。 もしも自分が日本に興味のあるフィリピン人の学生で、今回の締結内容を聞いたら、まるで夢のようだと胸を躍らすに違いない。実際、UMではないが他の大学に通うフィリピン人の若者等に今回の提携について話すと、すごい計画だ!羨ましい!と目を輝かせていた。この締結はフィリピンの若者にとって希望となるだろう。今後の日本とミンダナオの発展に期待である。  

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