ミンダナオ島との経済面の関係を深めるというアメリカ政府の方針の一環として、ミンダナオ島の農業への投資機会を探る貿易使節団が2023年9月にフィリピンに派遣される予定だと明らかになった。
メアリーケイ・カールソン駐フィリピン米国大使は、この訪問にはジョン・ディア社やカーギル社など、米国アグリビジネス界の「大物」約8社が参加し、「精密農業」の展望を調査するだろうと述べた。
カールソン大使は、第38回カダヤワン祭の開催に合わせて行われた様々な公務のため、祭期間中に2日間フィリピンに滞在し、ダバオ市のセバスチャン・ドゥテルテ市長やサラ・ドゥテルテ副大統領とも個別に会談した。
「農業はこの地域の強みだ。ここでできることは多い」と同氏は語り、ダバオ地方の作物栽培のポテンシャルの高さについては「フィリピンの果樹園」と表現した。
バナナのキャベンディッシュ種はダバオ地方の主要作物で、日本や中国、韓国、中東への輸出用に栽培されている。また、ミンダナオ島全体ではブキドノン州、らなおデルスル州、コタバト州、マギンダナオ州でも栽培されている。
バナナに限らず、近年フィリピンでは果物の輸出が拡大している。ここにアメリカの巨大資本が入れば生産性は向上するだろう。しかしフィリピンの地域経済や農民の待遇に及ぼす影響は、必ずしも歓迎できるものではないかもしれない。今後の動向にも目を光らせたい。