フィリピン国家文化芸術委員会(以下NCCA)は、ダバオ市内のSM Lanangで人間国宝マグダレナ・ガマヨ氏のイナベル(イロコス地方の織物の総称)の展覧会を開催した。
「Panaga Ti Lagda」と題された6日間の展示会の開会式では、ダバオのファッションデザイナー、ニール・パトリック・ジムラニ氏とマーク・ジョセフ・サヤド氏のコレクションを紹介するファッションショーがハイライトとなった。参加者はNCCA事務局長のオスカー・カサイサイ氏、ダバオ市議会議員で元NCCA事務局長のアル・ライアン・アレハンドレ氏、人間国宝エステリタ・バンティラン氏、ダバオ市観光事業事務所(CTOO)のジェニファー・ロメロ氏などが出席した。
「人間国宝の賞は、私たちのきょうだいである先住民族に与えられる賞だ。この機会に、各文化コミュニティの工芸品や文化、遺産の焦点を当てることを奨励したい」とカサイサイ氏は挨拶した。
この賞はダバオ地方での知名度が低く、受賞しているのはバゴボ・タガバワ族の故サリンタ・モノン氏1人だけである。「私たちは、ダバオ地方の文化的なコミュニティが人間国宝を受賞することを応援している。イナベルをダバオに呼ぶことで、ダバオ市民やミンダナオ島の人々はルソン島の先住民族の文化に触れることができる」とのことだ。
99歳の人間国宝マグダレナ・ガリナト・ガマヨ氏の織るイナベルは、他のイナベルよりも繊細で、糸の本数が多く、複雑なデザインで知られており、時には5色の糸を自在に扱う。他の人間国宝の作品も展示されたこの展覧会は、SM Lanangの1階で8月25日まで開催される。
先日まで開催されたカダヤワンではダバオ市の文化が中心に披露されたが、アイミー・マルコス上院議員が招待したイロコス地方のグループも参加した。また、NCCAはこのような民族の文化の他にも、ダバオ市内の建造物の保存にも力を入れ始めた。あらゆる文化を等しく保存する難しさは想像を絶するが、多彩な文化が少しでも長く息づくよう、学ぶ機会があれば積極的に活かしたい。