フィリピン中央銀行(以下BSP)は、2023年7月1日までにフィリピンQRコード規格の完全採用を命じている。3月10日の声明でBSPは、政策決定機関である金融委員会が、全てのQRコード対応の決済サービスを、国家QRコード規格「QR Ph」に完全移行することを促進するためのガイドラインを承認したと発表した。
QR Phは、安全な決済のためのグローバルスタンダードであるEuropay-Mastercard-VISA(EMV)規格に基づく、国のQRコード規格である。これはフィリピン国内のQRコードの利用を標準化するために開発された。
BSPによると、このガイドラインによって、QRコード対応の決済を提供しているBSP監督下の金融機関は、2023年7月1日からインターネットや移動チャネルでQRコードを使用し表示することが義務付けられる。それ以降は、QR Ph以外のQRコードは一般に利用できなくなる。
これを定めた覚書は、2019年10月に発行された「国家QRコード規格の採用」に関するBSP Circular No.1055を実施するものである。これは、異なるQRコード決済サービスを統合し、相互運用可能なものに変え、加盟店や顧客が複数のアカウントを使い分ける必要性をなくすことを目的としている。
過去、ダバオ地方は新型コロナウイルスの対策やクリスマスのプレゼントの配布などにQRコードを使用してきた。決済サービスとしては、2021年にPayMaya社がBSPのQRコード規格を受け入れている。今回のガイドラインによるフィリピン国内経済への影響に注目していきたい。