あなたは普段、何時に寝るだろうか。学生や社会人など、明日の予定が決まっている人ならば、睡眠時間から逆算した就寝を心がけるだろう。つまりそれ以前は言わば自由時間であり、日本では夜中に女性や子供が出歩く光景もさほど不思議ではない。明日が休みならなおのことである。しかし今ここダバオでは、夜10時以降での未成年の外出は禁止されている。
ダバオ市警察(以下、DCPO)署長のアルベルト・ルパス大佐は、DCPOが市内の未成年者の安全と保護を確保するため、強化された夜間外出禁止令を実施すると述べた。
同氏はすでに市内の全警察署長に、午後10時から午前4時までの間、付き添いのない未成年者が外出することを禁止する夜間外出禁止令を厳格に適用するよう指示を出している。
この指令は、2022年8月27日土曜日の夕方に行方不明となったトリル地区の14歳の女性が、28日日曜日の午後にジェネラル・サントス市で警察によって救出されたことを受けて出されたものである。
また同氏は、時間外であれば警察が市内でうろつく未成年者を「救出」した後、警察署の女性・子ども保護デスク(DCPO-WCPD)に引き渡し、一時的に保護することを発表。保護者に対しては、午後10時前に子供が家にいることを確認するようアドバイスした。
その一方で最近、市内で2人の未成年者が誘拐されたというニュースもSNS上に流れたが、誘拐事件が多発しているという事実を同氏は否定した。
当該未成年者は、8月29日月曜日の午後、両親とともにダバオ市警察に自ら出頭したとのこと。
未成年者とその両親は、個人的な問題で家出をしたと主張し、誘拐の疑いを否定している。
また、その2人の未成年者は、事実とは異なる情報を無責任にSNS上に投稿し、多くの人々に混乱と恐怖を与えた行為について、公式に謝罪をした。
ルパス氏によると、DCPOは現在、市民にネガティブな印象を与え、街の安全と安心に大きな損害をもたらした悪意のある情報を広めた責任者を起訴する準備を進めているとのこと。
フィリピンにもフェイクニュースは存在する。しかし問題なのは、こういったフェイクニュースを信じてしまうという事実が、この国の治安を物語っているということだ。ダバオも少しずつ、コンビニなどの灯りで夜が長くなってきた。このルールが少しでも子供たちの安心・安全につながればと思う。そして一日本人としても、夜出歩くという当たり前を享受していたということを忘れないようにしたい。