11月19日金曜日、ダバオ市内でおこなわれた水資源に関する会議にて、環境団体Idisの特別研究員Lemuel Manalo氏は、ダバオ市内の水資源が汚染されている懸念があると明らかにした。その懸念の数はとても多く、いかにダバオ市内の川が危険にさらされているかが明らかになった。
川の汚染につながる要因として、まずは川沿いに汚染源があることが挙げられる。Manalo研究員の発表によると、Baguio、Talomo、TorilにまたがるTalomo-Lipadas水源は、家畜や家禽を飼っている牧場が近隣で増えており、しかも許可が出ていないことが分かっているものもあるという。さらに、連作が過剰におこなわれている農場の影響で、殺虫剤による汚染も懸念されている。また、今後ダバオ市の飲み水の源になると言われているBaguio地区のPanigan-Tamugan水源でも、連作をおこなうプランテーション、農産業、家畜を育てる牧場などが汚染源になっている。
農畜産業以外にも原因があるという。Talomo川沿いでは、堤防や沿岸高速道路などの建設によってダメージを受けていると、同研究員は語った。さらに、ごみも大きな汚染源となっているという。先述の飲み水の水源候補となっているPanigan-Tamugan水源沿いでは、大量のごみが見つかっている。また、近くのごみ埋め立て場から汚水が垂れ流されているTalomo地区のMatina Pangi水源では、悪臭が発生し、黒く濁っているため、近隣住民からよく苦情が出ている。
川付近では、木の伐採も見つかっている。バランガイCarmenのSitio Kalatongでは、11ヘクタールの広さを有するヴィラ建設にもとない、そこまでの道を舗装するために、Tipolog山やPanigan-Tamuganにまたがる範囲の木を伐採しているという。さらに、先住民族のものではない土地の木を伐採したり、土地を売り払ったりする状況が2018年から続いているという。Manalo氏によると、この場所は保護地区で環境的な影響の大きい地区であると考えられているという。
このように、川を汚染しかねない多くの懸念がありふれているのが現状だ。法で取り締まることもそうだが、一人ひとりが自然を守ろうとする意識をもつこと、しっかりと行動に移すことが求められている。