ダバオ出身のネスティ選手が、金メダルに王手をかけた。7月31日、ネスティ・ペテシオ選手は、日本の東京国技館でおこなわれた女子ボクシングフェザー級準決勝にて、見事勝利を収めた。フィリピン2つ目の金メダルまで、あと少しだ。
準決勝のネスティ選手の相手は、イタリアのイルマ・テスタ選手だった。同選手はヨーロッパ選手権王者であり、今回も強敵だった。身長の高いテスタ選手に、ネスティ選手は第1ラウンドに苦戦し、5名のジャッジ全員が9-10とテスタ選手に多くスコアをつけた。しかし、第2ラウンドからネスティ選手も反撃を始めると、右腕から2発の強打をぶつけ、残り10秒でダウンを奪った。2ラウンドで19-19の同点にもっていき、最終ラウンドに入ると、テスタ選手の攻撃はなかなかネスティ選手に入らなくなった。結果、ネスティ選手は4-1(29-28、29-28、29-28、29-28、28-29)で判定勝ちを収めた。
銅メダルとなったテスタ選手は、イタリア初の女子ボクシングメダルを獲得したことに嬉しいとコメントし、「ここにいること、メダルを獲得したことをとても嬉しく思います。そして、彼女と戦えて嬉しいです。彼女は世界チャンピオンです、すごいチャンピオンです。戦うことができてよかった」と語り、ネスティ選手を称えた。ネスティ選手の名前が呼ばれたとき、テスタ選手が笑顔でネスティ選手のほうに行き、彼女の腕を高く上げた様子がとても印象的だった。
ネスティ選手は、会場で応援してくれるチームメイト、スタッフ、そしてフィリピン人ジャーナリストに感謝を伝えた。そして、名前を呼ばれたとき、涙して喜んだ。試合後にネスティ選手は、「これは私だけでなく、父の夢でもあるので、とても大きな意味がある」と、子どものころボクシングを教えてくれた父について触れた。そして、「私だけではなく、家族、国、そしてフィリピンから祈ってくれる皆さんのためのものでもあります。ありがとうございます。愛しています」と語った。
もうひとつの準決勝の結果、ネスティ選手と金メダルを争うのは日本の入江聖奈選手となった。日本とフィリピンで金メダルをかけて戦うことになる。女子重量挙げ金メダリストで、ダバオ地方サンボアンガ市出身のヒディリン・ディアス選手に続くダバオ2人目の金メダリスト誕生まであと一歩だ。
ネスティ選手と入江選手の試合は、8月3日日本時間13時05分からおこなわれる予定だ。