一時は収束を見せた「アフリカ豚熱(ASF)」の感染だが、ダバオオリエンタル州での感染拡大が確認されている。同州のBoston市では、地域内でASFが確認されたという報告も出ている。ダバオオリエンタル州のASF拡大の状況や対策などをお伝えしたい。
ASFの感染が最初に確認されたのは、ダバオオリエンタル州のMati市であった。バランガイDon Salvadorで4頭の豚がASFで死亡したのを皮切りに、同市では合計132頭の豚がASFによって死亡している。
その後、同州Boston市のバランガイPonlacionにあるPurok DahliaやSantanでもASFの感染事例が明らかになった。これを受けてBoston市長のRowell Rosit氏は、市長令を発令した。現時点でワクチンが開発されていないASFの感染拡大を抑えるためだ。そのためRosit氏は、生きた家畜の豚や豚肉製品をBoston市からの持ち出しだけでなく、同市内で移動するのも禁じた。
ダバオオリエンタル州の獣医師であるEric Dagmang医師によると、同州はASFの感染が確認された地域から肉類を持ち出すことを禁じているという。しかし、豚肉製品すべての輸入が禁じられたわけではないと明らかにした。現状、肉の需要に対して供給量が追いつかなくなることが予測されているためである。安全を守ることは必須であるため、輸入や輸出を行う業者は、肉製品が同州に入ってくる際に厳しい基準をクリアしなければならない。このことにより、ASFに感染していない安全な製品であることを示す義務があり、2週間置きに検査がおこなわれることになる。
豚肉はフィリピン人の生活に欠かせない食料だ。ASFの感染が収まり、安全に豚肉が食べれるようになることを願いたい。