フィリピン保健省ダバオ支部は、10月に入ってからの移動制限及び都市封鎖処置緩和の影響でダバオ地方における新型コロナウィルス新規感染者数が増加の一途を辿っており、この2週間で1,000人近くの新規感染者が発生していることに対して警戒を強めている。
同省の発表によると、10月1日から17日まで新型コロナウィルスに新規感染した症例はダバオ地方で910件あり、これは3月に世界保健機関(WHO)がパンデミック宣言を行って以降、統計を取り始めてから2週間としては最も高い数値であるということだ。
ダバオ地方で新規感染者数が最も高い数値を記録した日は10月14日(水)の91件、 また最も高い数値を記録した週は10月11日から17日の期間で451件といずれも10月に入ってからの2週間に集中している。特にダバオ地方の新規感染者数910件のうち、663件はダバオ市から確認されており、全体の73%と高い水準となっている。
新規感染者の増加は各所で様々な影響を及ぼしており、特に新型コロナウィルス感染症受入れ病院であるフィリピン南部医療センター(SPMC)は深刻である。同病院が保有する病床数309床に対して、17日(土)時点で既にICU病床は100%、一般病床でも93%が埋まっている状態で、受け入れ態勢が限界に近づいている。
19日(月)、ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長は地元のラジオ番組に出演し、市内における新型コロナウィルス感染拡大の影響で、病院の受け入れ態勢が限界に近づいていることから、厳しすぎると一部市民から改善を要請されている外出規制の緩和は当面は実施しないと改めて強調した。ダバオ市内の外出禁止時間は19時以降、翌朝5時までとなっている。