ダバオ市議会は4月10日、ダバオ市内において、風船やランタンを意図的に放出することを禁止する条例を可決した。同条例案は、Maria Belen S. Acosta議員によって首都マニラの有名ホテルが大晦日のカウントダウンの一環として、風船130,000個を用いて世界記録を破ろうとしたイベントを企画したことを受けて作成された。
条例は当初、 市内での物品の製造、販売、流通を禁止するなどの規定を盛り込んでいたが、Mahipos市議会環境委員長によれば、そのような内容を支持する国の法律がない為、市として記述のような禁止を課すことはできないという。しかし、Acosta氏によると、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の政権下で国内法となった禁煙条例と同様に、特定のまたは領域的管轄権の下で条例を制定することができるという。
最終的には、条例案の内容を見直しが行われ、規制がどこに適用されるかをさらに明確にするために、「”intentional” releasing(意図的放出)」という文言が盛り込まれた。つまり、意図的に風船やランタンを放出をする場合に適用されるというものだ。
Acosta氏は、風船の販売や配布は今後も可能であり、規制対象は飛ばすことを目的とした風船に限られるとコメントしている。同氏はまた、特に式典やイベントなどで対象物を大量に放出した場合にも、罰則の対象となると付け加えた。
風船やランタンの放出は、世界各地でトレンドとなっている一方、環境に大きな脅威を与えるものとして問題視もされている。「生分解性プラスチック」といえども、分解には時間がかかるため、一時的な楽しみのために、今後の地球環境への影響が懸念されている。現在のフィリピンでは、国内法として認められるまでは、このような条例を採用する都市が増えていく事に期待したいところだ。