大統領府は、ダバオ市第1区選出のパオロ・プーロン・ドゥテルテ下院議員が、「過去4年間、マルコス政権からダバオ市には『ゼロ予算』しか配分されていない」と主張したことについて、公式記録を示しながら否定した。大統領府は、ダバオ市に対し、国から数十億ペソ規模の予算やインフラ支援が行われていると説明している。
今回の反論は、パオロ議員が直近の声明で、フェルディナンド・マルコス・ジュニア政権下において、ダバオ市が十分な予算配分を受けていないと訴えたことを受けたもの。
パオロ議員は、洪水対策やインフラ事業を擁護する中で、「市民に知っていただきたいのは、ダバオ市はこの4年間、実質的にゼロ予算の状態だったということだ」と述べていた。
2026年5月25日に開かれた大統領府の記者会見で、クレア・カストロ報道官はこの主張を否定し、予算管理省(以下DBM:Department of Budget and Management)の記録にはダバオ市への予算配分が確認されていると説明した。その上で、「ダバオ市が過去4年間にわたり『ゼロ予算』だったという主張は事実ではない」と強調した。
カストロ報道官はさらに、ダバオ市はインフラ整備や保健、教育、地域開発分野への予算配分を通じて、引き続き国から大規模な支援を受けていると説明し、「ダバオ市は、現政権が特に重視している地域の一つだ」と述べた。
大統領府によると、DBMの記録では、2023年から2026年にかけて、国家税収配分金(NTA:National Tax Allotment)や特別交付金、消防法関連手数料、インフラ整備および公共サービス事業向け支援などを通じ、ダバオ市には総額78億ペソ超の予算が配分されているという。
これらの予算は、農道整備や洪水対策システム、教育施設、保健インフラ、交通近代化プログラム、その他の地方自治体支援事業などに充てられたとされる。また大統領府は、ダバオ市が地方自治体安定化資金(LGSF:Local Government Support Fund)を通じて1億4600万ペソ超の支援を受けたことも明らかにした。
今回のパオロ議員と大統領府の応酬は、今月初め、熱帯収束帯(ITCZ)による豪雨の影響でダバオ市内の複数のバランガイ(行政区)が深刻な洪水被害に見舞われたことを受け、市の洪水対策事業に対する監視や検証の動きが再び強まる中で起きた。
また当局は、洪水発生時にバランガイ・カラワのカラワ橋が崩落したことも確認している。
パオロ議員はこれまで、ダバオ市におけるインフラ支出を擁護し、自身の選挙区で進められた洪水対策事業を巡る不正疑惑を否定してきた。
さらに、公共事業道路省(DPWH)の記録を引用し、2020年から2022年にかけて、道路や橋梁、排水システム、洪水対策施設などを含む総額約498億4,000万ペソ規模のインフラ事業がダバオ市内で実施されたと説明した。
パオロ議員は以前、「洪水は国家的課題であり、真剣な土木技術や長期的な計画、関係機関の連携が必要だ。カメラの前でのパフォーマンスでは解決できない」と述べ、事業の正当性を強調していた。
また、批判勢力がインフラ事業や汚職を巡る全国的な問題を無視する一方で、ドゥテルテ家だけを選択的に標的にしていると批判した。
一方、ダバオ市の洪水対策事業を巡っては、オンブズマン事務所が、2019年から2022年にかけてダバオ川およびマティナ川沿いで実施された80件の洪水対策事業に関する記録提出を命じたと報じられ、支出の妥当性に対する疑問が強まっている。






