9月8日夜、ダバオのマンゴーがフィリピン品種として初めてオーストラリアに出荷され、歴史に名を刻んだ。ダバオデルスル州のマグサイサイ町とバンサラン町で収穫された、1,500キログラムのフィリピン産カラバオマンゴーのシドニーおよびパースへの初出荷は、オーストラリアへの10年ぶりのマンゴー輸出となった。
初出荷を迎えた141箱のマンゴーは、午後9時40分にオーストラリアに到着した。「これは歴史的瞬間だ。私たちは長い間この時を待っていた」と、オーストラリア西部で生のマンゴーを販売するメリッサ・アグアサさんは語った。これらのマンゴーは、アグアサさんの経営するフィリピンショップ「メリッサズ・フィリピーノ・ショップ」で陳列から6時間で完売したという。
オーストラリアは農産物の輸出に非常に厳しいことで知られている。農業省植物産業局(以下DA-BPI)、関税局(以下BOC)、フィリピン航空(以下PAL)は、ハイラス・マーケティング社によるオーストラリアへのマンゴー輸出再開を支援し、9月6日に壮行式を行い、歴史的な出荷への道を開いた。
PAL貨物ターミナルで行われた式には、DA-BPI研究開発・生産支援サービス部副部長のヘルミニギルダ・ガベルタン氏、BOCニノイ・アキノ国際空港税関輸出課長のカリル・ディマンガダップ氏。ハイラス社社長兼CEOのロベルト・アンジェロ・アモレス2世氏、輸出業者のジョセフ・バウティスタ氏、PAL貨物営業国際アカウントエグゼクティブのエイドリアン・プラシド氏が出席した。
「オーストラリアへのマンゴーの輸出は2013年が最後であったため、フィリピン産マンゴー産業の発展に向けた大きな一歩となった。我々はこれから、外国でのこのような商品の売り出しに力を入れる必要がある」とガベルタン氏は述べた。さらに同氏は、ハイラス社傘下のの輸出業者民間セクターといったパートナーに感謝し、政府、特にDA-BPIとBPI国立植物品質サービス部門(NPQSD)が常に彼らを支援することを保証した。
「オーストラリアへの輸出が開始されたことで、私たちはより多くの良質な製品を世界中に出荷し、市場に戻ってくることができるようになった。外国市場への参入の機会を得られたことに深く感謝している。これが輸出量の増加に繋がることを願っている」とアモレス氏は述べた。
今年6月の予定から3ヶ月遅れで始まったマンゴーの輸出。コロナ禍で遅延した計画がようやく実を結び、目的の1つである貿易の活性化にも近づいている。この調子で販路を拡大できるかがフィリピン政府の腕の見せ所だろう。