6月は、多様なジェンダー、セクシャリティの誇りを祝い、記念するプライド月間だ。ここダバオ市でも、LGBTグループ連合が、ダバオ市における差別禁止条例の施行規則(以下IRR)の策定を推進している。
ダバオ市LGBT連合代表のオスカー・オビエンザ・ジュニア氏は、19日に、このプライド月間の活動の一環として、様々なセクターに対して、同条例のIRRのために招集を開始するよう呼びかけていることを明かした。
「私たちは2018年以来、IRRを推進してきた。差別禁止条例は、人々を多種多様な差別から守るために多くの分野から構成されているため、それぞれに合わせたアプローチや試みがとられてきた。しかし残念ながら、未だ招集には至っていないので、このプライドフェスティバルを通じて、私たちはコミュニティにお願いしたい。私たちはIRRが差別禁止条約を作ることができるように、コミュニティを招集し始めたいと考えており、LGBTコミュニティは、他のセクターと共に全力を尽くしている」とオビエンザ氏はSMシティダバオで行われたKapehan sa Davaoにて訴えた。
2018年、ダバオ市議会はダバオ市の差別禁止条例を改正し、性自認、性的指向、人種、肌の色、出身国や民族、宗教や心情に基づく差別的な行為を違法と宣言した。しかし5年経った今も、IRRは出されていない状況だ。「これはジェンダーやセクシュアリティだけでなく、多くの観点が含まれている。だから、この条例に関しては、他のセクターを巻き込むことで、IRR策定を押し通すことができるようになる」という。
ダバオ市には現在LGBTQ団体が97つあり、合計8,331人の会員が所属している。しかし依然として、連合には差別的な声が寄せられている。
一見すると、日本に比べて自由な雰囲気の漂うフィリピンだが、多様な在り方、生き方に対する風当たりは強いようだ。これはダバオ市での活動だが、日本に生きる私たちも避けて通れる問題ではない。プライド月間を、多様な生き方について考える契機としたい。