【News】アグダオ公設市場付近の行商人ら、市場再建工事の影響で行き場を失い困窮

アグダオ公設市場
アグダオ公設市場

スーパーマーケットより安価に食材を購入できることから、地元住民が足繁く通う公設市場。出店する屋台は、定期的に場所代を支払うことで出店を許可されているが、それが支払えない者は行商人として付近で食料を売ることで生計を立てている。

しかし、4月第1週の聖週間以降、ダバオ市内のアグダオ公設市場付近で商売をする150人以上の行商人が政府にそこでの商売を禁止され、行き場を失っている。これは、ダバオ市経済事業団によると、道路拡張工事のためだという。

「私たちの行商人は生計を立てられなくなり、行き場を失っている。日常生活を続けられるよう、当局に訴えている」と語るのは、アグダオ歩道販売者協会(以下ASSVAI)のHadji Fatima Facundo会長。同協会は、魚・肉・果物・野菜の販売業者98人で構成され、午後3時から夕方の早い時間まで、路上での販売を行なっている。

市の解体チームは、交通渋滞を防ぐため、歩道を占拠することを禁止した。ダバオ市経済事業団のMaximo Macalipes Jr.氏は、新たなアグダオ公設市場建設の第3段階の一部として道路を拡張するため、業者がこのエリアに立ち入れないようにしなければならなかったと語る。この件に関しては、準備期間を与えるために、事前に通告もしていたという。

ASSVAIのFacundo会長は、これにより所属する会員の収入源が絶たれ、その日の食べ物にも困る現状を憂いている。一部の会員は資金調達のため、利子率20%の貸金制度「5−6」にも手を出しているという。彼らに対する政府側の対応は、決して迅速とは言えない。パラワン道路1号線業者協会のBenny Salotillo会長は、「私たちは、まるで自分たちの土地を追われたハエのようだ」と語る。

公共事業道路省(DPWH)のダバオ地方支部は、5月から6月にかけて、7億4千万ペソと見積もられているアグダオ公設市場の再建をダバオ市政府に引き渡す予定だ。新たな市場には717店舗もの露店スペースがあるが、今年引き渡されるのはそのうち480店舗分で、495の事業者が事前に申請をしているが、場所決めの抽選はまだ行われていない。

ダバオ市で2番目の規模を誇るアグダオ公設市場。数年をかけて進んでいた工事だが、生活を脅かされる市民もいるようだ。行政は機関や課によって管轄が定められているため、管轄外に手が出しづらい側面があり、それが対応の遅れを招いているのだろう。彼らの生活が改善される日は来るのだろうか。

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