【News】交通地域開発局、どんな人でも快適に使えるバスを目指して取り組むと発表

民族的な多様性だけでなく、ダバオ市はジェンダーの多様性も受け入れるために各所で取り組みがおこなわれている。そして今回、このジェンダー平等に向けた取り組みを始めると発表したのはバスを動かしている担当者らだ。市内のバスに現存するジェンダーギャップとはどのようなものが挙げられるだろうか?

交通地域開発局の責任者であるNicole Erika Cue氏は、男性、女性、LGBTQIA+などの性別だけでなく、老若男女、障害を患う人も含めて全員が平等にバスを使えるようにするため、さまざまな新しい試みをおこなうと述べた。Cue氏は、ここ数年のうちにジェンダーギャップは広がってきており、開発とジェンダー(ジェンダー間の不公平・不平等をなくすことが、公正で持続可能な開発につながるという考え)が非常に重要となっていると述べている。

このCue氏の考えを聞くと、日本での取り組みに、電車に女性専用車両が存在することが挙げられる。また、優先席があったり、車いすの人が乗り降りしやすいようなスロープになっていたりと、これも全員が使えるバスといえる工夫といえよう。Cue氏も、実際にセクシャルハラスメントなどの問題への対応や、女性に権限を与えることなど、ジェンダーギャップを埋める活動を継続すると述べている。しかしながら、全員が平等にバスを使えるようにするためには、さらに多様で柔軟なアイデアが求められるだろう。

Cue氏は、このプロジェクトがジェンダー平等や女性の権利を高めることに明らかに作用しなければ「効果的なジェンダーの主な取り組み」とはみなされないが、ジェンダーの不平等をなくしていくことでジェンダー平等や女性の権利を高めることにつながると述べた。そして、「開発とジェンダーの考えは、我々全員に性別に関係なく力を与え、自分で決断することで持続可能な生活を可能とすると示しています。自分たちが認識するならどんな性別でも構いません。自分たちのために声を上げ、権利を高めることを確かにするには、私たち自身をとおして示すのです」と述べた。

このプロジェクト実施にあたっては、すでにLGBTQIA+や海外フィリピン人労働者、女性団体へのインタビューをおこなっており、バスが運行された際の提案や懸念などを聞いているという。

さて、Cue氏が感じるバスにおけるジェンダーギャップには、交通業界は男性運転手が占めていることが挙げられる。同氏は男性運転手の功績を称えつつ、それでは女性やLGBTQIA+が交通機関の改善に寄与できる役割とは何かと考えている。だからこそCue氏は、すべてのジェンダーの人にこのプロジェクトに参加してもらいたいと思っている。同氏は、「将来的には、ジェンダーに配慮するトレーニングも取り入れていきたいです。開発とジェンダーの考えは建造物、仕事のオペレーション、メンテナンスなどを対象とします。私たちの取り組みに価値があると認識してもらうためです」と語った。

話し合いを重ね、試行錯誤のなかでジェンダーギャップが限りなく少なくなっていくことで、どんな人でも安心して使えるバスになっていけばと思う。

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