ミンダナオ島で戒厳令が宣言されてから1ヵ月以上経ったが、投資家による市内の事業についての問い合わせが増えており、ここにきてまた、ダバオの事業環境が盛り上がっているようだ。資産投資や買収を行うプライム・フィリピンのサランガ氏は、投資家の「待ち受け」の姿勢は終わり、今後のダバオの見通しについて多くの問い合わせがあるなど「動き出してきている」と語った。
2015年頃から地価の高騰が激しいダバオだが、今後、ミンダナオ鉄道、主要道路の拡張など様々なインフラ設備プロジェクトが予定されており、ドゥテルテ大統領もダバオをプライムビジネスの場として促進しているなど、物理的にも投資環境が整ってきている。
サランガ氏は、「実際に、現在5つの外資、国内資本のホテルが、ダバオで事業拡大を考えているとのこと。関心のあるホテルの開発者と事業者のうち4社はアジアをベースに事業展開をしている会社、または個人で、アジアの投資家がダバオに惹かれており、主要なビジネス相手になりつつある」と強調。
「土地の買収がメインであったこれまでの投資傾向とは違い、ダバオに事業所を建設して根付きたいと考える人も多く、ホテル事業者などはジョイントベンチャー契約や、 少なくとも15年~20年のスパンで契約できる借地を探したりしている。また、ホテル業以外では、ビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)関連や製造業がダバオに目を向けている」と 話した。
プライム・フィリピンは、不動産サービスおよびコンサルティング会社として、年末までに2017年の不動産市場レポートを発表する予定である。 昨年末に始まった調査は、現在、または将来の指針となると考えており、この調査では、現在の地価、物件のリース価格、不動産業界、不動産の需要と供給、 税法改正および戒厳令のビジネス産業への影響を詳細に説明する。
同社創設者のユー氏によると、「ダバオは既に大きな投資に向けて機が熟しているが、ミンダナオのいくつかの安全保証上の脅威が、地域のビジネス環境に影響している状況である。ほとんどの地域において、開発を行いモデルとなる都市のように発展させていくことはできるが、人々の規律や治安を作り上げていくことは非常に困難である。人と治安、既にその条件が揃っていることがダバオの最大の資産である」と話した。