地域情勢の緊張が高まる中、日本政府はダバオ地方の海上警備能力強化を支援する姿勢を示した。フィリピン全土における沿岸防衛体制の強化が必要との認識を示している。
遠藤和也駐フィリピン日本国大使は、国際社会の関心が南シナ海問題に集まる一方で、ミンダナオ地方の海上安全保障も日本にとって重要な戦略課題であると強調した。
遠藤大使は記者団に対し、「フィリピンは四方を海に囲まれています。海上における法執行能力を強化するため、フィリピン沿岸警備隊(以下PCG)やその他の海上関連機関と協力することは、非常に重要です」と述べた。
ダバオ地方への支援にも意欲
日本はこれまで、PCGへの多目的対応船の供与など、主に国家レベルで海上支援を実施してきた。
一方、遠藤大使は、南ミンダナオ地方におけるより地域密着型の協力にも前向きな姿勢を示した。
遠藤氏は、ダバオ地方で具体的なニーズが生じた場合、日本が現地の海上法執行機関と直接連携する用意があると説明し、「必要があれば、ダバオの法執行機関との協力を歓迎する」と述べた。
地域緊張を超えた海上協力ー南シナ海問題にとどまらない狙い
今回の発言は、日本が推進する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」戦略の一環とみられる。
この戦略では、海上安全保障を単なる領土防衛の問題としてではなく、安全な貿易ルートの確保や経済の安定に不可欠な要素と位置付けている。
日本は、ダバオ地域の海上法執行能力を支援することで、現地当局の領海監視能力の向上を後押しするとともに、海賊対策や拡大する海洋経済を保護するために必要な設備や訓練を提供する狙いがあるとみられている。






