ダバオ市が近年課題に挙げている洪水対策について、フィリピン政府から20億ペソ規模の投資がさまざまな建設プロジェクトにおこなわれることとなった。また、この治水工事には、日本国際協力機構(JICA)もかかわっている。どのような工事が予定されているのだろうか?
11月24日水曜日、ダバオ市計画開発局(CPDO)のEngr. Ivan Cortez局長は、治水に関するオンラインでの会議にて、治水工事は現在進行中であると述べた。また、ダバオ市のLa Vernaに対して、ポンプ室設置に1億ペソ、遊水池設置に500万ペソ、水路の改善工事に1億500万ペソ、排水施設の改善に300万ペソが当てられるという。
さらに、La Vernaに対しては2022年、2023年にもポンプ室、遊水池、水路などの工事が計画されており、予算として計上されている。さらに、JICAからは5億700万ペソの支援がおこなわれ、Sasa排水路地域の工事、土地確保などがおこなわれる。
この会議では、ダバオ市内のダバオ川、Matina川、Lasang川の氾濫に何度も被害を受けている、その他の40地域についても言及があり、川が氾濫するのは沈んだ泥が詰まっていることが原因だと指摘があった。また、その中には標高が低い地域や、標高は高いものの周りより土地が低い地域があることも理由だと言及された。その他には、吸水能力、水路がふさがっていること、排水装置の老朽化、ごみの不適切な処理なども原因として挙げられた。
そして、Cortez局長は、「現在、JICAと契約を結んでいます。現在はダバオ川に注力していますが、JICAの治水対策の調査とマスタープランでは、ダバオ市の3本の主な川であるダバオ川、Matina川、Talomo川を対象としています」と語った。ダバオ市の治水工事については、JICAがダバオ市の治水対策マスタープラン策定にかかわっている。
会議のなかではLa Verna以外の場所でも進行中のプロジェクトがあるとも言及があり、それぞれの課題を踏まえた工事がおこなわれていると明らかにされた。また、報告では、Maa、バランガイ10、バランガイ8-Aの4,900世帯と、Matina Crossing、バランガイ76-A、バランガイ5-A、バランガイ2-Aでは4,933世帯が洪水の影響を受けたことが明らかになった。そして、洪水が発生したら、7つの行動を取ることを市民に守ってほしいと呼びかけた。
マスタープランとともに治水対策への言及があったことで、その原因が客観的に把握しやすくなったように感じる。また、各地域で治水工事に向けた動きがあることも分かった。近年の温暖化によって大雨も降りやすくなっている。マスタープランを踏まえた工事により、ダバオ市の洪水問題は解決していくことだろう。