【News】ミンダナオ鉄道プロジェクト、ドゥテルテ大統領退任までに部分運用を目指す

完成に向けて動き出した「ミンダナオ鉄道プロジェクト」だが、遅くともその部分運用については、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領の2022年中の退任までにおこなうことが明らかになった。同プロジェクトは、2016年にドゥテルテ大統領が大規模プロジェクトのひとつだと国民に向けて演説したものだった。

この話が出たのは、4月29日の「2020 Economic Performance of Davao Region」という会議のオンライン記者会見であった。この記者会見では同プロジェクトの進捗状況についても言及があり、フィリピン運輸省(Department of Transportation: DOTr)によると、通行権を獲得するフェーズに現在入っていることが分かった。そして、102キロメートルの線路を確保するフェーズ1を2021年9月までに終えたいという話も出た。また、駅の土地を確保するため、土地所有者との交渉も進行しているという。今回記者会見に臨んだフィリピン国家経済開発庁(NEDA)のMaria Lourdes Lim氏は、「これらを早くとも2021年9月までには終えたいと考えている。そして、2021年末には建設に着手したい」と語った。

Lim氏は、フィリピンと中国との借款に関する交渉についても言及すると、こちらについては「パーフェクトに」進んでいると語った。そして、「中国政府が最終候補に入った企業のリストを3つに絞ったら、Tagum-Davao-Digos間の線路の建設に実際どれほどかかるか中国企業から入札額が示されることになるだろう」と語った。しかしながら、この交渉についてはODAのプロセスが中国は他国と異なり、借款がおこなわれる前に物資調達を終えなければならないため、プロジェクトが遅れる懸念も出ている。交渉のプロセスについては正しく進んでいるが、先に物資調達をしなければならない点で遅れが生じる懸念が出ているようだ。

いくつかの遅れが懸念されるものの、ダバオデル・ノーテ州のPanaboおよびCarmen駅については2022年3月には運用を始めたい考えだという。そして、全面運用については2022年6月を目指すという。

ドゥテルテ大統領の退任までに鉄道を開通させるため、関係各所は奮闘しているところだ。