【News】ダバオ市で偽造たばこが急増ー若者と経済を脅かす深刻な実態に市議が立法調査と取締強化を訴え

ダバオ市役所

ダバオ市議会議員レイチェル・ゾゾブラド氏は、市内で増加している偽造たばこの販売に対して警鐘を鳴らし、これが公共の健康および地域経済に深刻な脅威をもたらしていると警告した。

ゾゾブラド氏によれば、偽造のたばこや電子たばこが市内の商店や市場で公然と販売されており、多くは内国歳入局(以下BIR)の税印や健康警告の表示がなく、規制の監視も行き届いていない。中には1本2.5ペソ(日本円で約6円)という価格で販売されており、若者や低所得者層でも容易に​​入手可能である。

10月7日サングニアン・パンルンサッド(市議会)での特権演説の中で、「これらの製品は安価で違法であり、特に未成年者や若年層に対して積極的に売り込まれている。彼らは安さとその誤解を招くパッケージに惹かれている」と述べた。

ゾゾブラド氏は、偽造たばこの販売は「公共の健康に対する窃盗であり、誠実なビジネスへの裏切りであり、規律と法を尊重する都市としてのダバオの評判を嘲笑する行為である」と強調し、違法販売が病院や医薬品のための政府収入を奪い、若者から健康な未来を奪っていると警告した。

これらの製品は大抵、品質管理がなされておらず、有毒もしくは不明な成分が含まれている可能性があり、病気や早死のリスクを高めていると述べた。

また調査結果を引用し、偽造たばこの使用者の多くは19歳から24歳の学生や若年労働者であり、彼らは低価格に惹かれていると指摘した。こうした違法たばこの流通は、ダバオ市政府が長年かけて進めてきた喫煙率削減の取り組みを損なっていると述べた。

ゾゾブラド氏は、「これは単なる経済問題ではない。公共の健康に関わる緊急事態であり、倫理的危機である。子どもや弱い立場の市民が強欲の犠牲となる時、我々指導者は行動すべきである」と話した。

市民に対し、たばこ製品がBIRの税印とグラフィック健康警告を備えているかを確認するよう呼びかけた。これが合法かつ政府の規制を受けた製品の証明であるとした。

立法措置

ゾゾブラド氏は、自身の特権演説をダバオ市保健局、貿易局に付託し、第一読会において検討されるよう提案した。両局は、ダバオ市における偽造たばこ流通の範囲と影響を調査する立法補助調査を行う予定である。

メディアインタビューにおいて、両局が市の禁煙条例を再検討し、執行力を強化するための改正や新たな措置の必要性について検討する可能性があるとし、「適切な措置を講じ、執行を強化する。我々は、国家および地方の関連機関との協力体制を強化する必要がある。なぜなら、この問題はすでに市内に蔓延しているからである」と語った。

ダバオ市の禁煙対策

ダバオ市はフィリピンで初めて包括的な禁煙条例を施行した都市であり、これは他の都市にとってのモデルとなっている。

この先駆的な取り組みにより、ダバオ市は保健省ダバオ地方事務所(DOH-Davao)、世界保健機関(WHO)、およびブルームバーグ・イニシアチブから表彰され、強力なたばこ規制政策に対して名誉あるレッド・オーキッド賞を受賞した。

ミンダナオにおける違法たばこ取引

2024年のバンタイ・オープンパック調査によれば、フィリピン国内の違法たばこの50%がミンダナオで流通している。

最も違法率の高い地域は以下の通りである:

  • ラナオ・デル・スル(94.2%)
  • マギンダナオ(73.2%)
  • ダバオ・デ・オロ(69.6%)
  • サランガニ(68.2%)
  • ダバオ・デル・スル(44.7%)

多くの地域では、販売されているたばこの10本中8本が違法製品である。

密輸ルートは30以上が確認されており、その大半はマレーシアのサバ州およびインドネシアから来ている。これらは海路または陸路で運ばれ、卸売業者、小売業者、さらには家々を回って販売する者にまで供給されている。

ダバオ市における違法たばこの浸透率は現在約54%であり、複数のバランガイ(行政区)において偽造製品を扱う商店が報告されている。

ダバオにおける密輸事例

  • 2025年6月:タロモ地区のドゥモイ岬沖で、外国ブランドのたばこ800マスターケース(約2,000万ペソ相当)を積載した貨物船が摘発された。
  • 2025年1月:ダバオ港にて、偽装宅配トラック内に隠された密輸たばこ251ケース(約990万ペソ相当)を税関が押収した。
  • 2025年2月:市政府が270万ペソ相当の押収を報告し、2名を逮捕した。
  • 2025年5月:トリル地区で870万ペソ相当のたばこを押収。
  • 2024年12月:検問所で運転手から100万ペソ相当のたばこを押収。

これらの摘発に加え、イランおよびシラワンのバランガイにおける複数の強制捜査も含まれ、ダバオ市が引き続き密輸たばこに対する取り締まりを継続していることが示されている。

【News】ダバオ市タロモ地区ドゥモイ岬沖で密輸疑いのタバコ、約2,000万ペソ相当を押収

【News】ダバオ市警察署、強盗やその他犯罪防止のために警察の見回りと巡回パトロールを強化

【News】ダバオの情報ポータルサイト「ダバオッチ」でサポーター募集開始!

c94f801b2b7c09c2a0f879e7150e1347-300x131.png

ビザ・レンタカー・通訳・翻訳なら | ダバオの日系旅行会社