フィリピンの送電企業NGCPは、ミンダナオ島-ビサヤ相互連携プロジェクト(MVIP)の完成が遅れる見込みだと明らかにした。海底ケーブルの複数箇所が断線していることが判明したためだ。
断線が確認された海底ケーブルは、ミンダナオ島北西部に位置するZamboanga del NorteのDapitan市から、セブ市の北にあるSantander市にかけて敷かれたもので、350kVの電気を送ることができるものだ。同ケーブルは、2020年11月15日に完成したばかりだった。また、今回の断線は、ケーブルを敷いた場所を、大型船が航行したことが原因であったことも明らかになっている。
今回の断線が理由で、2021年11月に完了する予定だったプロジェクト全体が遅れると、担当者は語っている。また、NGCPは、「断線した箇所を直すには、物資の調達から担当する業者との契約、スケジューリングなどが必要で、その全てが外出自粛の影響を受けている。ケーブルを船で調達したり、海外の専門家を要請したりと、やり取りが必要なことばかりだ。さらに、ケーブルを敷く際にも、天候や波の状況などを考慮しなければならない」と語っている。
今回のプロジェクトは、ミンダナオとビサヤとで電力を共有できるよう、海底ケーブルだけでなく、地上の送電線や変電所も整備する大規模な計画である。今年中の完成が見込まれていたが、様々な手順を要するため、大幅に遅れる可能性もある。