ミンダナオ開発庁(以下MinDA)のレオ・テレソ・マグノ長官は、日本に対し、従来の援助中心の支援にとどまらず、官民連携(以下PPP)事業への直接投資を通じてミンダナオ開発への関与を強化するよう呼びかけた。
マグノ長官は、日本・フィリピン間のインフラおよびPPP機会に関するビジネス対話の場で、ミンダナオについて「インフラ需要がすでに存在する未開拓市場」であり、高い投資ポテンシャルを有していると強調した。
一方で、多くの地方自治体(LGU)がPPP事業の推進に苦戦している現状にも言及。その背景として、事業化に不可欠なフィジビリティスタディ(実現可能性調査)や財務分析、リスク評価などを担う技術的能力の不足を挙げた。
さらに、PPPを専門に扱う部署や法務人材の不足といった制度面の課題に加え、事業初期段階におけるコストの高さも大きな障壁となっていると指摘した。また、プロジェクト開発・監視ファシリティ(PDMF:Project Development and Monitoring Facility)など既存の支援制度が、ミンダナオでは十分に活用されていない現状も明らかにした。
こうした課題に対応するため、MinDAは専用の「PPPデスク」を設置し、推進体制を強化している。同デスクは、地方自治体に対する技術支援や関係機関との調整機能を担う。
また、フィリピンPPPセンターと連携し、地方政府による実行可能な事業計画の策定や、投資家・資金提供者とのマッチング支援を行っている。
マグノ長官はさらに、PPP事業が政権交代の影響で遅延しやすい点にも言及した。多くのプロジェクトが単一の任期を超える期間を要することから、政策や事業の継続性を担保する仕組みの必要性を強調した。
こうした制約がある一方で、ミンダナオは投資拡大を受け入れる準備が整っているとの認識も示した。その背景には、ガバナンスの改善や民間企業が参入しやすい環境整備の進展がある。
今後の重点分野としては、PPPコードの実効的な運用、地方自治体の能力強化、民間セクターの早期参画の促進に加え、事業初期段階のリスクを低減するための資金調達手段の拡充が挙げられた。
こうした提案は、フェルディナンド・マルコス・ジュニア政権が推進する国家インフラ政策「ビルド・ベター・モア(Build Better More)」とも方向性を同じくする。同プログラムでは、2026年に1.5兆ペソ超のインフラ投資が計画されており、交通、再生可能エネルギー、デジタル接続が重点分野とされている。
2日間にわたって開催された本イベントは、ビジネスマッチングやニュー・クラーク・シティの視察をもって閉幕した。これにより、インフラ、エネルギー、デジタル開発、観光分野における具体的なビジネス機会が改めて示された。






