ダバオオリエンタル州のMati市の市街地から離れた村には、先住民族が住んでいて、必要な教育や教具が手に届く場所にない。そこに住む子どもたちをサポートするため、数年前から活動を続ける団体がある。それでは、具体的にどのような活動をしているのだろうか?
12月7日、先住民族の子どもたちを支援する団体「Happy Forest Kidsセンター」には、7年生(日本の中学1年生)の一人の生徒がいた。この生徒は、「今はパソコンの電源を切る方法は知っています。でも、他の使い方については分かりません。家にパソコンはありません。近所の人が使っているのを見るだけです」と語った。
同センターでは、地域社会にいる子どもたちの情報リテラシーを育むプログラムを、通信技術省ダバオオリエンタル支部やダバオオリエンタル州大学情報技術プログラムと協同しておこなっている。同大学の学長は、「このプログラムは、この地域の小中高生にパソコンの使い方、正しいインターネットの使い方、そして技術を駆使する方法を理解してもらう利点などを伝えています」と語った。また、子どもたちに、現代で必要なコンピュータ技術を身に付けてもらうことも目的だと語った。
また、この活動も最初から順調ではなかったという。保護者の中には子どもの力になっていると賛同する人もいたが、家事や仕事を子どもたちにしてもらいたいという人もいたという。そして、学校に最後まで行かなくてもよいと考える保護者もいたため、かなり小さいうちに家族のために働くこともあるという。状況が一転したのは、継続してこのプログラムで学んでいた子どもが、大学進学を決めてからだった。このプログラムが、教育を取り巻く状況を大きく改善したことが証明された瞬間だった。
この団体では、2021年1月から、ニューノーマルでの活動の一環としてオンラインでの読み聞かせを始めた。コロナ禍に入ってから1年が経とうとした頃のことだ。
子どもたちの可能性を高めるため、Happy Forest Kidsの活動はこれからも続く。