【News】長引くモンスーン、援助を切望する漁師たち

アグダオ公設市場

ダバオ市の漁師たちは、2019年6月ごろから続くモンスーンのために漁に出られず、さらに高波による家屋の損壊に悩まされている。ダバオ市漁業組合(Federation of Fisherfolks Association of Davao City 以下FFADC)長のLorenzo Borja氏は、政府は漁師に必要な支援を行っていないと非難した。ダバオ市農業部(City Agriculturist’s Office 以下CAO)は被害調査を行ったというが、Borja氏は、以前約束された支援はいまだに到着しておらず、政府が実際に支援を実施するかどうかは不明だという。

FFADCには、ダバオ市内の沿岸のバランガイ(最小行政区)の漁師と、内陸部の半農半漁家、合計約8千人の組合員が所属している。彼らは市に被害状況を伝え続けており、現在は冷凍魚の在庫の直接販売で生計を立てている。「Isda Para Sa Masa」と呼ばれるこの販売方法は、売値が安く儲けに繋がりにくいそうだ。Borja氏は、冷凍魚の在庫は十分ではなく、一刻も早い政府の支援が必要だとした。

一方、水産事務局(Bureau of Fisheries and Aquatic Resources)ダバオ支局長Fatma Idris氏は、申請を行うか、CAOからの被害認定を受けた漁師は、最大2万5千ペソのローンを無利子で借りることができると述べた。

漁業による収入は、気候の状態によって不安定になることが常だ。政府が漁師に対しセーフティーネットを作っておくことは必要だが、同時に漁師たち自身が、漁業以外で安定した収入を得る手段を作っておくことも、必要になってくるだろう。