フィリピンイーグル財団(Philippine Eagle Foundation:以下PEF)のJayson Ibañez氏はこの度、野生のフィリピンワシが発見される頻度が増えていると報告した。この報告は、絶滅の危機に瀕していると考えられていたにもかかわらず、国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature)が野生のワシが推定800羽以上発見されたという報告に続くものである。
Ibañez氏は、1960年代はフィリピンワシを積極的に探究する者は少なく、個体数はたった100羽のみだと信じられていたと説明した。しかし、ワシの数がここまで増加したのは、過去31年間にわたる保護活動や調査、個体数のモニタリングのおかげだからである。
さらにPEFは最近、フィリピンとシンガポール間での野生動物借款契約に署名しており、フィリピンワシ2羽の保護および増殖に向けて、シンガポールのジュロン公園に輸送する予定だ。
Ibañez氏は、ワシの個体数を増加させる戦略として、ワシの子をフィリピンのワシの生息が低い地方に放つことを明らかにした。一方で、ルソン島の環境にも適応できる可能性はあるものの、台風の脅威に晒されないミンダナオ島の方が、ワシにとって最も理想的な生息地だと説明した。
フィリピンワシの個体数が増加していることは良い知らせだが、気候変動による生息地の喪失など、個体数以外の問題にも着目すべきではないのだろうか。