【コラム】「ビサイヤ語」コラムその2 ~「ビサイヤ語」にも丁寧語はある?~

さて、ではビサイヤ語の丁寧語とはどういうものでしょうか。タガログ語だととりあえず文の最後に「ポ」をつけておけば丁寧語になる、という感じらしいんですが、ビサイヤ語には、それにあたるような、「これさえつければ丁寧語」という言葉はありません。

でも、タガログ語の「『ポ』をつければ丁寧語」というシステムは非常に便利なので、ビサイヤ語で話している時でも、「ポ」を使う若者は結構います。私たちも真似して使ってみてもいいかもしれませんね。単にレストランなどで注文をするときに「ポ」をつけるだけで、場が和むことは間違いありません。だってかわいいじゃないですか、「ビール、ポ」とか。

ビサヤ語
©Shinya Sawamura

いやいや、やっぱりそこは妥協せずビサイヤ語らしくいきたい!という方々は「マン」「ディアイ」「ガニ」「ラギ」「ギョッド」といった「これ自体にはあんまり意味はないんだけど、つけるとペラペラ感が増す」語を覚えましょう。

日本語の語尾の「ね」「な」「よ」「さ」「ってば」みたいなものです。 例えば「誰?」と尋ねるときに、「キンサ?」と1語で質問すると、「誰だッ!?」と詰問している感じになります。ですがこれを「キンサ マン?」と2語にすると、「誰ですか?」くらいのソフトさになり、「キンサ マン ディアイ?」と3語にすれば、「どちら様ですか?」みたいな丁寧な質問になるわけです。