【コラム】ダバオのネオンはノスタルジーの香り、粋なファンドレイジングに心をつかまれた夜

バイク便の運ちゃんと彼女との3人乗りで、真っ暗なでこぼこ道を走ってビーチへと向かった。ガタゴト道の揺れは激しく、バイクの最後尾にお尻を乗っけているぼくは、途中で何度か振り落とされそうになったが、ようやく夜中のビーチに到着した。

砂浜では、ディスコミュージックが大音響で鳴り響き、いくつもの露店が軒を並べ、老若男女がすでに酔っ払いながらご機嫌でたむろしており、夜中とは思えない活況を呈していた。バロット、ピーナッツ、何かの串焼き。ビールのつまみに最高のシシグ(豚耳の鉄板焼き)は25ペソ(約50円)、マニラの半分以下の安さだった。いろんな食べ物の香りが潮風と混じりあう。心地よい風に露店の裸電球が揺れている。異国なのに、なぜか懐かしい気持ちで一杯になった。

とノスタルジーに浸っていると、さっきのお店で働いていた女の子たちが、それぞれのボーイフレンドを連れて三々五々、集まってきた。7組のカップルに加えてぼくの総勢15人で、プラスチック製のテーブルの一角を確保する。酒のつまみと飲み物の調達は、この流れとしては外国人であるぼくなのかな?と財布を取り出そうとすると、お店の女の子が止めた。

「あなたはお客さんだから、お金は払わなくていい」という。「いや、そういうわけにも…」とつぶやくと、「じゃあ、ピーナッツでも買ってきてよ」と言われたので、素直に従うことにした。彼らがケースごと買ってきたサンミゲルビールと氷をグラスに注ぎ、他愛ない会話を楽しみながら朝まで賑やかに飲み明かした。初めてのダバオガール、ダバオボーイたちとの交流は爽やかに楽しかった。