【コラム】その時ダバオの大学生たちは落胆の表情を見せた

私は観光情報誌を、その内容から、観光トレンド重視型、情報網羅型、特定ニーズ対応型などに分類しているが、「るるぶ」は観光トレンド型の代表格であり、その時代時代の観光の趨勢、潮流、流行を色濃く反映した内容となっている。もちろん取り上げられている観光対象地や施設などもその流れに沿ったものばかりである。自分たちの母国フィリピンが日本人にどのように見られているのか、観光という一側面からだけではあるものの、日本人が深く係ってきたこの大学の学生にこそこうした現状をしっかり認識してもらおうとしたつもりである。

ちなみに、情報網羅型の代表格の「地球の歩き方」には、さすがにダバオについての記述がある。ダバオの見どころとして紹介されているのはムセオ・ダバウェニャ、オーキッド・ファーム、フィリピンイーグル・ファウンデーション、クロコダイル・パーク、フィリピン日本歴史資料館、ジャパニーズ・トンネル、ダバオ博物館、アポ山である。そして日本とのかかわりについても若干の記述がされている。

クロコダイルパーク

「るるぶ」は、まさに今の日本人の大衆的観光者の視線の中にある観光対象を知る上で重要な資料である。現状では観光者の視線はセブとその周辺に集中し、せいぜいパラワンあたりまでにとどまっている。実は「るるぶ」フィリピンの表紙には、セブ島・マニラというサブタイトルが載せられており、さらに小さくボラカイ島、ボホール島と記されている(最新版には北パラワンが加わっている)。