【News】ミンダナオで導入が検討される再生可能エネルギーとは? ミンダナオの電力事情(後編)

ミンダナオは電力供給量が需要を上回る状況が続いているが、ここ最近の経済発展によりそのギャップが埋まりつつある。2030年には逆に電力を確保していかなければならなくなる。そこで注目されているのが再生可能エネルギーだ。ミンダナオではどのようにして再生可能エネルギーを確保していくのだろうか?

(前編はこちら)

10月20日に財務省(Department of Finance)から出された「フィリピンの持続可能な経済のロードマップ」という計画によると、フィリピン政府はこれから10年(2021~2031年)にかけて温室効果ガスの排出を現在の75%に抑えると宣言している。そのため、国中で再生可能エネルギーを導入していこうとしている。ミンダナオはというと、水力発電26%、地熱発電2%、太陽光発電2%、バイオマス発電2%という内訳で再生可能エネルギーを導入している。

ミンダナオでは、まずは主力の水力発電の改善を図ろうとしている。Agus-Pulangi水力発電所は、1,001メガワット(MW)の電力を生み出すように設計されている。しかし、機器の老朽化などにより、現在は600~700MWほどしか発電できていない。ここに乾季やエルニーニョ現象などの要因も加われば、発電量はさらに落ちる。そのため、同発電所の改修を30年かけておこない、元の1,001MWまで発電できるようにする計画が立ち上がっている。さらに、新しい再生可能エネルギーを使った発電所の建設も計画されている。ミンダナオの池や川には、新たな水力発電所が建設される予定だ。

他にもミンダナオとビサヤを電気ケーブルで結べば、お互いに電気を供給しあうことができるようになる。電気が足りなくなったり、逆に多く作ってしまったりしても、互いに助け合うことができる。さらに、蓄電池を用いる方法も計画されている。電気をためておくことができれば、特に水力発電に頼る地域では発電が足りない時期に補うことができるようになる。

再生可能エネルギーの導入は、世界でも地球温暖化の脅威が迫っていることからも急務といえる。ミンダナオの今後の発展には、持続可能性という視点が必須といえよう。導入に大きな課題がいくつもある再生可能エネルギーだが、今後の法改正や補助金などによりさらに促進されることを願うばかりだ。

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