【News】ダバオ市で水素を充填した風船が販売禁止に

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ダバオ市で、水素を充填した風船が販売禁止となる条例が出された。水素は爆発性があり危険であるため、日本では水素ではなくヘリウムが使われている。しかし、これまでダバオ市では、この水素を充填した風船が販売されていたようだ。

8月24日、第19回ダバオ市議会で「ダバオ市の水素を充填した風船に関する条例(原文: Hydrogen Filled Balloons Ordinance of Davao City)」が第3および最終読会を終え、承認された。同条例を提案したMabel Sunga Acosta議員は、この条例について、ビジネスやレジャー、行楽、スポーツ、社会的イベントで水素を充填した風船の使用を減らし、市民の健康や環境を確保するためのものだと述べている。また、水素が不安定で爆発性のある気体で、簡単に爆発し引火することへの気づきを与えるためのものでもあると述べている。しかしながら、条例では、科学技術の研究や研究所での分析作業、気象観測はこれに該当しないと言及している。

この条例を破った事業者は、1回目に1,000ペソ、2回目は3,000ペソ、3回目以降は5,000ペソおよび1年間の業務停止が課される。

この条例は、2021年2月初旬にSNSに投稿された内容を受けて作られたものだという。そこには、子どもが水素が充填された大きな風船で遊んでいるときに、軽傷を負ったと書かれていた。また、3月24日の公聴会において、科学技術省の化学者であるApril Rose Aguilos氏は、水素は無色無臭の爆発性のある気体であり、簡単に生成できるのでヘリウムより安いと述べている。そして、単なる誕生日のろうそくであろうとも、近くに水素が充填された風船があれば、その風船は爆発し、火が発生すると、その危険性を指摘した。

このように、水素の危険性がこれまで認識されていなかったこと、そして安全であるヘリウムも高価であるから購入できなかったことがうかがえる。実際に、ヘリウムガスのタンクは1つ20,000ペソするものの、水素ガスのタンクは1,500ペソしかしない。今回の条例を経て、市内のふわふわと浮かぶ風船が安全なものになればと思う。

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