【News】バナナの葉が被さった担架をもつ男性らの写真、その背景にあるものとは?

中華街

ダバオ市Marilog地区のバランガイGumitanでは、昔から重大な問題を抱えている。このことを訴える投稿がFacebookであり、そこにはその場しのぎで作った担架の写真が添えられていた。人が横たわるところには、バナナの葉が被せてある。なぜ彼らは担架を作る必要があったのだろうか?

この投稿をしたAfren Mandi氏は、患者を最寄りの病院に連れていくために担架を使ったと投稿している。そして、この危機的状況の患者が無事であるようにと祈ってほしいとコメントした。この患者が居たSitio Mahayahayは主要高速道路から24キロメートル離れており、そのため救急車もこの地区には来られないのだ。Mandi氏は投稿の最後に、軽ワゴン車で構わないので、Sitio Malikongkongに常駐しておける緊急車両を供与してほしいと書いた。

その後の話で、この患者が6ヶ月目の妊婦で、出産間近であったことが分かった。そして、Mandi氏は、「この妊婦さんを運んでいる人たちが既に疲れきっていたので、助けに入ったのです。そして、運搬するためのチームを作ったのです」と語った。そして、同氏は高速道路まで向かったものの、妊婦がいる場所までは長い距離だったという。結果、搬送するまでに6時間を要し、妊婦は無事に病院に着いたものの、死産になってしまった。

Mandi氏によると、医療の提供体制が難しい状態が何年も続いているという。フィリピン公共事業道路省(DPWH)による道路整備計画もおこなわれているが、道路は使いづらく、緊急車両も住んでいる地区にはないため、緊急時には困難を要しているという。「四輪車では行けないため、オートバイでしかこの地区は移動できません。私たちの地区に来るのは容易いことではないのです」と、同氏は語った。

現在、同地区では新型コロナウイルス(Covid-19)の感染事例は見られていない。しかし、もしCovid-19の感染が拡大したらと、住民たちは不安を抱えている。バランガイGumitanの住民が医療へのアクセスがもっと楽にできるようになることは、喫緊の課題といえるだろう。