【News】コロナ禍で開催されたカダヤワン祭、今年の祭で失われたものとは?

カダヤワン祭り

新型コロナウイルスの驚異は、以前までの「当たり前」の生活を奪ってしまった。当たり前に行っていたこと、楽しんできたことは形を変えてしまい、社会的なふれあいも大勢で集まる機会もバーチャルなものへと変わってしまった。

今年のカダヤワン祭も然り。新型コロナウイルスの驚異の中、ダバオ市の観光局は「カダヤワン・デジタルウィーク」を実施した。オンライン上で数多くの競技会を企画し、大いに盛り上がる祭りにすることができた。オンラインでの開催になったことで、いつものカダヤワン祭を知っている人にとっては失われたものもあっただろう。

1.街中いっぱいにあふれる果物

ドリアン、マンゴスチン、マラング、ランブータンのような、カダヤワン祭に欠かせない果物は新型コロナウイルスの驚異の中でもしっかり実っていた。しかし、街の道の端に並んだ果物の露店を見ることはできなかった。私たちが見ることができたのは、マーケットに並んだ果物、フルーツのパネル、そして市の一部で営業を続ける露店の果物だけであった。

2.色鮮やかなパレード

「フィリピンのお祭り」と聞いてまず私たちが想像するのは、色鮮やかな衣装を着たダンサーと、彼らがパレードで見せるパフォーマンスであろう。カダヤワン祭のそれは、想像以上のものである。先住民、キリスト教徒、ムスリムが1つになったこと、そして感謝を祝うお祭りであり、これは人々の文化や伝統の手本そのものであるとされている。生き生きとしたダンス、パフォーマンスを見ることができなかったのは、少し寂しかったかもしれない。

3.市役所のプロジェクションマッピング

果物をお腹いっぱい食べて、ショッピングを終え、市役所近くの公園に行くとプロジェクションマッピングを見ることができた。数年前に始まったプロジェクションマッピングは、小さな子どもたちをわくわくさせるようなもので、大人もとてもリラックスしながら見ている。公園にはポップコーンやバロット、アイスクリームの露天だけでなく、マッサージのセラピストもたくさんいた。

4.先住民との交流

カダヤワン祭は、感謝と、ダバオ市に住む先住民、キリスト教徒、ムスリムが1つになったことをお祝いする祭である。そのため、祭りのアクティビティは民族への敬意が求められている。お祭り期間中、マグサイサイ公園に設置されている象徴的な施設が「カダヤワン村」である。市内の11の部族が建設した、11つの「クボ」があり、観光客はそれぞれの「クボ」を訪れることで、それぞれの民族の現在を学び、民族の美味しい食べ物を味わうこともできた。

5.笑顔と笑い声

緊急事態宣言が出てからというもの、市民は家の外でマスクを着用することが義務付けられている。この時から、私たちは友達の笑顔を見たり、一緒に笑い合ったりする機会が減っている。

今日のような状況が一日も早く終わり、友人や家族の他のメンバーと前のように過ごすことができる日々が戻ってくることを切に願っている。ダバオ市は、大きなイベントを来年に実施すると明言しており、今までにないほどの盛り上がりを見せるイベントの数々が催されることに期待したい。